蔡英文総統が6日午前総統府で、エスワティニ王国のクレオパス・シフォ・ドラミニ（Cleopas Sipho Dlamini）首相夫妻と対面した。蔡総統はあいさつの中で、ドラミニ首相が訪問団を率いて台湾にやって来るのは初めてであることに触れ、「中華民国政府と人民を代表して心から歓迎する。一行の訪台は両国の深い友情を示すもので双方の関係深化にとっても大きな意義を持つ」と述べた。
蔡総統は自身が2018年にエスワティニ王国を訪れたことに言及、アフリカの壮観な景色と現地の人々の熱心なもてなしが印象的だったと振り返った。その後同国の国王、ムスワティ3世は2度台湾を訪問。蔡総統は「両国の各分野における交流の成果を一緒に確認した」と関係の順調な発展ぶりを指摘した。
また蔡総統は、「コロナ禍の中で両国は協力し、互いに支え合い、サージカルマスクを共同生産した」と述べ、互いを「重要な防疫パートナー」と形容、両国はこれからも経済貿易、公衆衛生、情報通信技術などの分野で協力を深め、双方の人民により多くの福祉をもたらしていくだろうと期待した。
蔡総統は、台湾とエスワティニ王国はいずれも国際秩序を尊重し、地域の平和と安定を揺らぐことなく守っていると評価。またエスワティニ王国が長年台湾の国際社会参与を支持していることに感謝し、「ドラミニ首相も国際的な場で台湾のため度々正義の発言をするなど、その友情は台湾の人々を非常に感動させている」と指摘した。
蔡総統はさらに、両国の国交樹立から今年で55年になることに触れ、「今後我々は政府と民間の力を通じて両国の交流と協力の取り組みを加速し、国と国との関係を絶えず深化させていく」と強調した。
エスワティニ王国のドラミニ首相は、蔡総統及び中華民国政府の温かいもてなしとスケジュールの手配に感謝、「今回の訪台は国交樹立から55年の両国の関係にとって極めて重要で、重要な開発に関わる協力パートナーたちはエスワティニ王国の社会と経済の発展のためのカギだ」と述べ、今回の台湾訪問にかける意気込みを示した。
ドラミニ首相はまた、コロナ禍の全世界に対する影響のほか、アフリカ南部ではエルニーニョ現象とラニーニャ現象にも苦しんでいることを指摘、「エスワティニ王国も例外ではなく、大規模災害の前で自分たちは無力であることを思い知った。この間、台湾の援助は両国の関係をいっそう強固なものにしており、またそれによって我々はまだ手付かずの分野での関係拡大も可能だと信じるようになった」と今後のさらなる関係強化に期待を寄せた。ドラミニ首相はそして、台湾は重要な政治・開発のパートナーだとし、今後の協力拡大、ならびに逆境の中で発展していく術を台湾から学ぶことに意欲を示した。